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海外から届いた手紙を見つけた。
それは大失恋をした相手からで
20の時に届いた写真入りの封書だった。
引き出しの奥に眠っていて
懐かしいくせのある字だった。
表の宛名書きを見て、一拍おいてから
枕元に置いてあるA4の封筒に入れた。
レシートや個人情報が書かれた書類を入れておいて
ある程度たまったらシュレッダーにかける袋だ。
香港の空港で待ち合わせた時
スケートボードを抱えていたこと、
ヒースローまで迎えに来てパディントン駅でくまのパディントンを見せてくれたこと、
思い出す景色は鮮やかすぎて苦しくて息ができない。
青春だった。
離れてからしばらくが経つ。
もういいのではないかと手紙を見つけた時に思った。
全てが思い出でそれは紛れもない。
それでいいのだ。
ようやく体の一部となった気がする。