SunaSet

数字と生活

33

暖冬だと言われた冬も

ようやく冬らしい兆しが見え始めた。

初雪が降って少し経った夜の東京で

旧知の知人と飲み歩く。

 

そろそろ結婚をするために

重い腰を上げようと思うと

ビールを片手に相談にもならない相談をする。

そうか、それは複雑だな、

あなたはずっと自由で

それが当り前だと思っていた。

 

出あった頃は

夜も昼も自由だった。

全てが面白く、刺激的で

どんなことも起伏があった。

新しい音、新しい場所、新しい人、

レコードに針を落とす休日の朝、

あの頃の空気が今を培ったのだ。

 

安全パイに走ろうとし

なんだかがんじがらめみたいだ。

先々の事ばかり心配し

中身の濃度が薄くなっている。

 

なんとつまらんことなのだろう。

そして

きみはずっと自由だった、と証言してくれる人がいるのは

救いだと思った。