SunaSet

日々と生活

1858

少し疲れているくらいだと

別になんでもなくて

すごく疲れている時は

気付かない時が多い。

 

そしてあるタイミングで

突然なだれのように

自分の上にのしかかってくる。

 

悪い方へと引っ張ろうとするのは他人ではない。

周りの人の行動や言葉にネガティブな方に引っ張られる時はあるけれど、

なんでもだめな方へ追いやろうとするのはいつでも自分だ。

 

ちゃんとしなきゃ、を思えば常に思っていた。

ちゃんとって何なのだろう。

 

おいで、ごはんを食べに行こう。

びっくりする位安いけれどおいしい中華屋へ夕ご飯を食べに行った。

ビールも飲まず、ジョッキにウーロン茶を入れてもらって

がまんせず食べた。

そんな簡単な、全然簡単ではないことをやって

体が戻ってくるのを感じた。

 

おいで、大丈夫だよ。

きっと大人でもそう言ってもらいたいに違いない。

 

18:58は日が沈む時に

空が紫と橙の境目になるマジックアワーだ。

新宿の雑踏の中、歩きながら

足元をすくわれないように人の間をすりぬけながら

レコード屋へ明確に欲しいと思った

夏の音を探しに行った。

10746

生きるということは

生み出すことと失うことを同時にしていて

ふと止まって振り返った時に何も進んでいないような気がして

何も生み出していないのではないかと思ってしまう時がある。

 

振り返った先は真っ暗で

映画のように自分にだけピンスポットが当たっている。

そんなイメージが思い浮かぶと

暗い底に足をつかまれ引っ張られるような気になる。

 

今まではそうなると、どうしていいのかわからずに

後ろを振り返ったまま足がすくんでいたけれど

最近は後ろを見た後、ゆっくりと元のように

視線を前に移して何もなかったかのように歩くことができるようになった。

 

悟ったのだった。

こうしている間にも失っているのだ。

失いたくない。過去ではなく、

今からまた自分として生きていく。

ここまでやってきてくれた自分に感謝している。

ハグをして健闘を讃えて肩を組んで歩いていく。

 

 

 

 

 

2000

なんでもない話をしながら

やっぱり一人旅に出てつまらないと思うのは

ごはんを食べる時だねと話す。


あの時はとてもおいしいと思ったのに

一人で行った時はそんなでもなかったよ。


スカロップをお代わりした

ヨーロッパの街角の夜のレストランを思い出す。


ビールで乾杯して、デカンタサングリアへ移って

何杯も何杯も乾杯した。

朝起きた時のコーヒー以外は

昼も街中でも夜も寝る前も

カフェやレストランで乾杯をした。


記憶の中の一緒に行った旅は

2000年が初めてで、

アジアの空港で落ち合った時の

それまでの緊張を吹き飛ばすような笑顔を

今でも鮮やかに思い出す。


そして日本、

飲み屋街の端っこで

その時の旅を振り返っている。

まじまじと横顔を見つめ

15年経ても

この人はなにも変わらない。


たまに吸う煙草ははるかに板につき、

煙をまとった髪の毛すら愛おしいと思う。


この先にどんな未来があろうとも

おいしい食事をおいしいと言えるために

一緒に旅に出よう。






201208

イヤホンで音楽を浴びながら

明日の仕事の手順を頭で追いながら

あなたと話をしている。

 

あんなに遠かったのに

距離は近くにいるけれど

遠いままでいたい。

 

近づきたいけれど

自分が求める場所に上るまでは

まだ

先を求めたくないのだ。

 

東京駅を歩きながら

この界隈が好きで、近付きたくてここに立っていると自覚している。

ビジネスマンと観光客の行き交うこの街で

どこまで行けるか楽しみに

前を向き、背筋を意識して伸ばし

自分のために

歩いている。