0810
休みの朝、モーニングへ行く。
快適で暖かい格好をして足元はスニーカー、
重くないウールのコートを着て外へ飛び出す。
秋の朝はもう随分冷えていて
緑のにおいがはっきりする。
姿勢が悪くならないように気をつけながら線路沿いを歩く。
3分置きに到着する電車は行ったり来たり、休日も確実に人を運ぶために乱れなく動いている。
何も知らない世界へダイブして数年、
知らなかった世界を見ている。
それは初めて海の中に潜った時のように
美しくて新しい世界だった。
目で見て知った気になっていた場所にざぶんと入るのは
想像していたのと全く違った。
海の中は静かで、色んな魚がいて、亀がゆうゆうと泳ぎ、
ただそれを眺めていた。
1人でも酸素ボンベをしょって
いつでも海に飛び込めるように
今できるのは
勉強をする事だった。
勉強をしたい、今なら切実に思う。
アメリカに長く滞在した時に感じた焦燥感、目が開く感じ
20年後にそれを東京の地で思い出している。
世界の一片、熱燗を飲みながら会話をして
少しでも追いつきたいと思って
今を忘れないようにと祈った。