50%
地下鉄を乗り継ぎ街へ繰り出した。
文句なしの夏日のお昼過ぎ、お日様はさんさん、木々は青々として
道に色が溢れている。
新橋から有楽町へ抜ける途中
銀座はアジアからの観光客がひっきりなしに大型バスから降りては
大声で話しながら目抜き通りを歩いていく。
今年で創業105年というコーヒー屋の窓側の席で
ゆっくりとなんでもない話をしながら
人々が悠々と歩くのを眺めている。
銀座から有楽町へ靴を買いに行こうと話していると
洋服なんて買う気もないのにゴールデンウィークセールと銘打って
全商品50パーセントオフの表示が出ているのにつられ
アパレルショップへと足が赴く。
洋服はすっかり半袖だ。
羽織ものとシャツしか長袖はない。もう夏なのだ。
通路を埋める人と人の間をすり抜けながら
気付いたら真剣に白いTシャツを選んでいた。
肩幅に合うサイズはどれかを見てもらいながら
背すじが丸くなっているのに気付いてピンとした。
有楽町で靴を履き比べながら
買い物をする人はみんな意気揚々としているなと思った。
いい。明るくて高揚していて、楽しげでとてもいい。
時には買い物をしよう。
ちゃんと仕事をして、ちゃんとやり切ったと感じて
ちゃんと旬の物を見よう。
と意識を新たにした。