23歳の時にした大恋愛を
今も思い出す時がある。
振り返ればこうしておけばよかったと思うことは
後の祭りだ。
あの空気、寒い中をバイクで走りぬける風の感じ、
知らなかった音楽と山積みのレコ―ド
フローリングの冷え込み、オイルヒーター
買い物へ向かう道。
恋を手放したのは自分で
後悔したのも自分だ。
その時にはっきりと思ったのは
たやすいように見えることが一番得にくいという事だった。
ただ一緒にごはんを食べる、ただ一緒に夜更かしをする、ただ一緒に眠る。
何でもないただで生活はできていくのだ。
たわいもないということが一番得にくい。