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日々と生活

2120

遅くまで仕事をした今日

静かなオフィスでカタカタとキーボードを打ちながら

人がまいるのはとても簡単だと考えていた。

人間おなかがすくとまずまいる。

お風呂に入ったりお化粧を落としたり爪を塗るのを忘れる。

おっくうとかそういう次元の話ではない、おなかがすいている状態は物事を処理できなくなるのだ。

お風呂に入らない自分を疲れているから、とか夜遅くまで働いたから、とか正当化しようとするのだ。


まずごはんを食べろ。カロリーなんか気にするな。

ごはんを食べろ、それからだ。



0:13

忙しかったり余裕が無くて
いつも自分を見失いそうになる時
知らずと周りの人に励まされている。

ぼろぼろになって辿り着いた酒場だったり
久し振りに会う友人だったり
不意に誘ってくれる家族だったり
恵まれている。

素敵な人を思う時
その人の話し方やエピソードを芋づる式に引っ張り出して
自然と笑顔になる。

だから忙しくても
どういたいかを見失わないでいる。

感性を開いて
出し惜しみしないこと
それを忘れている時は篭っているということ。

23

夜の告白は思わぬ形で心に響いた。

もうそれが人生の答えにしてもいいんじゃないかと思える説得力があった。


曲がりながら上ったり下ったりを繰り返し

その時その時に全く違う人と恋愛をしてきて

仕事を変えながら歩いたらいつのまにかこんな所まで来ていた。


世界は広く明るかったけれど

歩いてきた道は思い返せば砂漠のようだった。

白砂が見渡す限り延々と続く景色を

もう少し歩けば水があるのではないか、

木が生えているのではないかと

微かな希望だけで進んできた。


誰かと一緒に進むのならば

長い長い砂漠の道で

横にいるだけでありがたいらくだのような存在になりたい。

ただそこにいるだけで何より心が頼もしい、

そうなれるならいつでも覚悟を決められる。




1745

今が愛おしくて

時々立ち止まる。


計らずともとても自由で

見えるもの全てが美しい。

夏が眩しくて好きでしょうがなくて、

亜熱帯かと思う程のこの東京の湿度さえも

離したくないと思ってしまう季節であること。


暑い季節特有の輝き、

19時を超えてから湿度が緩くなり

夜へ向かう街のざわめき

なんとなく冬よりも早い時間から活気のあるターミナル駅

美しくて目をつむる。


何にでもなれる、どこへでも行ける。

いつでもそうだから、美しさを信じていたい。

Before06:00

たった1人だけ

ずっと夢のなかに出てくる実在の人がいて

その人のことを愛していた。


長かった片思いはほんの少し前に幕を下ろし

そうなった時にはもう一生会わないと心に決めていた。


昔から夢に出る時は

なぜか図書館だったり見たことがない部屋だったり

色は濃紺で物も置いていない

静かな空間が多かった。


不思議な事に相手の夢にも時々出てくるようで

昨日夢に出たよ、元気にしている?と

短いメッセージが携帯に届いたりしていた。


今日の明け方突然夢に出てきた。

相変わらず背景は何もない白い壁で

言わなくてもなぜこうしたかわかってくれていると思った、

と言って泣いた。


今のがっちりしている体ではなく

線の細い数年前の姿で細い腕で抱き寄せ

肩を震わせて泣いた。


こいつはなにを言ってるんだ、泣きたいのはこっちだよ、と夢の中でも思った。

その反面、泣かないで、とも思った。


それはつらそうに泣く姿を見たことがある。

どうしようもないやり切れなさを体から発散させながら

座っているのに地団駄を踏みながら泣くのだった。

夜の公園、涙を流す姿をただ横で見ていた。


泣き腫らした夜に遭遇したのは15年も前なのに

それが昨日の晩の出来事のように鮮明に覚えているのだった。


きみが泣くならどこへでも飛んで行く、

それが日本の真下だろうが真逆だろうが。

本気でそう思った唯一の人だった。


なぜ亡霊のような念を送ってくるんだ、

これはきっと意識しない内に白いもやみたいな幽霊になって

相手の夢にも出ているんじゃないか。と朝起きて思った。

時計を見たら5時59分だったので

亡霊でもいい、会えたなら、と思い

二度寝についた。




4,380

長い間ずっと知り合いで

ずっと変わらなかった。

 

人となりはそんなに簡単には変わらない。

お芝居の時に舞台俳優は変わらないのに背景のセットだけどんどん変わるみたいに

景色と音楽だけ転換して

12年間はあっという間に過ぎた。

 

0時を過ぎても仕事をしていた時、

一寸先は闇だった。

今でも時々あの時の空気を思い出して

遠い所へ来たなと感じる。

 

あんなに常に締切に追い立てられて苦しかったのに

屋上からはそれは美しいベイブリッジの夜景が見えた。

酸素が足りなくなると屋上へ階段で上り

ひょいと入口の柵を越えて空を仰いだ。

 

技術の足りなさに落胆した。

そんな中、一人ずば抜けて技術力の高かった後輩が

手を差し伸べてくれた。

 

心の有りようが自由でいい。

もしよければ一緒に、とあなたは言った。

我がままばかり言ってきたのに。

 

自由で奔放で、いつでもどこにでも行ける。

そう信じてきた。

日々の中にいとも簡単に自由は埋もれる。

一人の意思ではどうにもならない事由が増える。

 

本当にそうなのだろうか。

 

今でも自由で奔放なはずだ。

年齢や性別や会社での役割にがんじがらめになって

首を絞めているのはいつだって自分なのに

それを簡単に何かのせいにすり変える。

 

何かしたいこと、一人じゃできないこと。

したいこと。

 

まだ探せる、今ここに見えていなくても

知らないこと、目の前にあっても気付かないものは

山ほどあるのだ。